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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

ハランスメントについて(2)

 前回のパワー・ハランスメントの続きです。

 本来、労働者には保護されるべき権利や利益があります。
 まずは、生命、身体の安全、名誉、プライバシーなどが保護されるべきであることは異論のないところだと思います。
 また、良好な環境で、快適に仕事をする権利や利益も保護されるべきものとされています。
 さらに、職場における自由な人間関係を形成する権利や知識、経験、能力と適性に相応しい処遇を受ける権利も、保護されるべきものと考えられています。

 これらの保護されるべき労働者の権利や利益が違法に侵害された場合には、労働者は、損害賠償請求等を行使することができます。

 ただ、他方で、労働者には、使用者の適正な範囲内での業務命令には従う義務があますので、例えば、ミスをした部下に対して上司が注意や叱責をすることは、適正な職務執行として一定程度は許容されます。

 そして、どのような場合に違法な侵害があったと言えるのかは、結局のところ、ケースバイケースということになり、その際の判断基準は、「社会通念に従って」という曖昧なものにならざるを得ません。

 そんな中でも、最も判断が微妙になるのが、人事権の行使という形でパワー・ハランスメントが加えられた場合です。
 ここでは、この場合を例にとって、具体的に考えてみることにします。

 まず、問題となった業務命令等が、業務上の必要性に基づいていない場合には、違法な侵害があったと言えるでしょう。
 また、一見、外形上は業務上の必要性があるように見える場合でも、その業務命令等が退職を強要する目的などの不当な動機や目的に基づいてなされている場合にも、違法な侵害があったと言えるものと考えられます。
 さらに、業務上の必要性があり、不当な動機や目的に基づいていなくても、その業務命令等が労働者にとって通常甘受すべき程度を超える不利益を与える場合には、やはり違法な侵害があったと言えるものと考えられます。

  赤井・岡田法律事務所
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2016-11-17 09:00