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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

医療水準について(1)

 ここに医療水準とは、医療過誤訴訟において、裁判所が医師の過失の有無を判断するにあたって基準とする概念です。
 すなわち、医療水準を下回る医療行為が行われたり、医療水準に見合った医療行為が行われなかったりしたときに、過失があったと判断されることになります。

 医療過誤訴訟の判決の中には、しばしば、「診療当時の臨床医学の実践における医療水準」という文言が使われています。
 このように、ここで述べる医療水準というのは、医学的な判断の基準となる概念ではなく、法律的な判断の基準となる概念です。

 誤解を怖れずに言うと、そもそも医学的な判断と法律的な判断とでは、かなりの違いがあります。
 それは、着目すべき点が異なっているからです。
 医療機関ないしは医師が、医療行為としての評価に着目するのに対し、裁判所は、あくまで患者さん側の損害に着目します。
 そのため、この医療水準については、医師には、非常に理解しづらいものとなっているように思われます。

 その典型的な例として、「合併症」が挙げられます。
 医師からすれば、医学的に言われる「合併症」が医療過誤の対象とされることには違和感があるのではないでしょうか。
 しかし、法律的に見れば、医学的に言われる「合併症」であったとしても、それが不可避であったと判断されない限り、医師の過失責任が問題となり得ます。

 それでは、この医療水準とは、どのような内容のものなのでしょうか。

  赤井・岡田法律事務所
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2016-09-01 09:00