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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

終末期医療における医療についての考察(4)

 前回の続きです。

 そこで、もう一つの考え方としては、次のようなものが考えられます。

 もはや病気の治癒に向けて効果の見込まれる治療行為を行うことが医学上不可能であり、単に延命のみを目的とした措置のみが行われるような場面であっても、医師、医療機関の負う注意義務については、特別に考えずに通常の場合と同様に考えるとしながら、これによる不都合については、説明義務の問題として捉えるという考え方です。

 すなわち、全身状態の良くない患者さんに対して、患者さん本人やその親族などから、最後まで病気の治癒に向けての治療行為をして欲しい旨の希望がある場合、医師、医療機関はこれに応える義務があるとしながらも、そのような全身状態の良くない患者さんに対する治療行為にあたっては、かかる行為により生じるリスクを十分に説明し、そのうえで行う場合には、そのリスクが現実化しても注意義務違反には問わないとする考え方です。

 これによれば、注意義務を尽くすことを条件に、医師、医療機関に対して、通常の場合以上の高い注意義務を課すことを回避することが可能になると考えられます。

 終末期医療でなくても、全身状態の良くない患者さんに対する治療行為というものは存在しますので、その場合と同様に考えれば良いとする考え方です。

 ただ、説明義務を尽くすことを条件としますので、そのこと自体が医師、医療機関に対して、重い義務を課すことにならないかとの疑念は残ります。

 以上のように、今回は、終末期医療における医師、医療機関の義務について考察してきました。

 我が国では、65歳以上の方が、全人口の26%を占める超高齢化社会になっています。このような超高齢化社会においては、今後、終末期医療における様々な問題が議論されるようになるものと思われます。

 今回考察した点についても、今後、議論されることを期待したいと思います。

  赤井・岡田法律事務所
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2016-04-28 09:00