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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

医療事故調査制度について(4)

 最後は、問題点についてです。
 これは以前にも指摘させていただきましたが、再度、述べておきます。

 法律上、医療事故調査・支援センターから警察に直接通報する旨の規定はおかれておらず、この点、厚生労働省も、制度の目的は医療事故の原因究明と再発防止にあるので、医療事故調査・支援センターから、警察に直接通報はしないとしています。

 ただし、医療事故調査・支援センターの調査報告書等を医療機関等に対する責任追及や訴訟に使用できない旨の規定も置かれていないため、遺族が、調査報告書等を刑事や民事の責任追及の資料として使うおそれがあります。

 この点は問題であり、いくら制度の目的が医療事故の原因究明と再発防止にあるとはいえ、法律上調査報告書等を医療機関等に対する責任追及や訴訟に使用できない旨明記されない限りは、結果的に、調査報告書等が刑事や民事の責任追及の資料として使われるのではないかということが危惧されます。

 また、費用負担の問題もあります。

 まず、内部調査の費用については、明記はされていませんが当該医療機関が負担することになるものと考えられています。

 次に、医療事故調査・支援センターへ調査を依頼した場合の費用負担についても明記されていないため、誰が負担するのかが問題となります。

 この点、厚生労働省は、医療事故調査・支援センターの行う調査の費用は、45万円~90万円になり、そのうちの5,000円~5万円程度を遺族側に負担してもらうことを想定しているようです。

 その残額が全て、医療機関側の負担ということになれば、医療機関にとって酷な結果になると思われます。

  赤井・岡田法律事務所
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2015-08-27 09:00