人気ブログランキング |

医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

リスクマネジメントについて(2)

 前回は、紛争に備えてのリスクマネジメントとして、書面化しておくということことについてお話ししました。

 今回は、この書面化に関連して、少し診療録(カルテ)の記載についても触れておきたいと思います。

 診療録の記載は、診療内容だけでなく、診察時における「言った、言わない」の根拠とされることが多くあります。
  診療録の記載については、いつ開示をしても良いように、診察内容や行われた診療行為の内容、患者さんに説明した内容、及び患者さんからあった訴えの内容を区別して、あとで読んで分かり易いように、できるだけ詳しく記載いただくというのが理想です。

 毎日多くの患者さんを診察していて、毎回毎回そんなに詳しい記載などしていられないというのが現状であろうと思います。
 しかしながら、少しの手間を惜しまれたがゆえに、後日紛争に巻き込まれ、その際に負担される労力の程度を考えれば、ここは少しだけ頑張っていただければというのが正直なところです。

 また、近時、電子カルテが多くなってきている関係で、電子カルテのシステムを導入されている場合には問題になることは少ないのですが、そうでない場合には、あとで診療録を改ざんできないような仕組みになっているか否かも重要なポイントとなります。
 特に、あとで診療録を容易に改ざんできるような仕組みであると、現実にはそのようなことがなかったとしても、改ざんされているのではないかという不要な疑いをもたれることにもなりかねません。

 ここまでは書面化について述べてきましたが、最後に、録音についても触れておきます。

 「言った、言わない」という点を明確にするという意味では録音というのは有力なアイテムです。
 ただ、このようなお話をすると、多くの場合には、医師と患者さんとの信頼関係からすれば、そこまでする必要はないのではないかという反応が返ってきます。

 確かに、通常の患者さんとの関係では、そのように考えられるのは当然のことだと思います。
 しかし、モンスターペイシェントと呼ばれるような患者さんとの関係では、そこまでしなければ対応できないケースがあるのは事実です。
 そして、初めから、患者さんの見分けがつけばいいのですが、現実にはそれは困難と言わざるを得ません。
 とすれば、転ばぬ先の杖ということで、普段から患者さんとのやり取り、会話を録音しておくということも一度考慮してみられてはどうかと思います。

 昔のアナログの時代には、相手に分からないように録音をするというのは録音機のサイズだけからしても困難でした。
 しかし、デジタル化の進んだ現在では、小型化したICレコーダーに見られるように、相手に分からないように録音するというのは容易になりました。
  一度、インターネットで、「通話録音装置」や「小型ICレコーダー」といったキーワードでの検索をしてみられてはいかがでしょうか。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
        TEL(075)257-6033
        FAX(075)212-3670
執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2014-11-13 09:00