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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

医療機関における個人情報管理(4)

 前回は、個人情報を許されない形で開示してしまった場合の刑事上の責任について述べましたが、そのほか民事上も損害賠償請求の対象となります。
 すなわち、医師には診療契約上の付随義務として患者の秘密を守る義務がありますので、正当な理由なくして個人情報を開示した場合には、この付随義務違反として、または不法行為として損害賠償請求の対象となります。

 損害賠償請求の内容としては、実際に個人情報が漏洩したことによって生じた経済的な損害、例えば、医療機関の自由診療の報酬をクレジットカードにて支払ってもらった場合に、そのクレジットカード番号がパソコン等から漏洩した場合、パスワードなどで保護せず、漫然と保管していた場合には、そのクレジットカード番号が悪用されて、患者さんに請求がきた場合の実損額を支払う必要があります(カード会社の保険が適用される場合は損害賠償請求を免れることもあり得ます)。

 また、経済的な損害以外にも、患者さんの病気の内容が第三者に知られたことなどによる精神的苦痛に対する慰謝料を支払う必要も発生します。
 この場合、実際に裁判の判決で言い渡される慰謝料の金額は様々です。
 もっとも、おおよその目安として慰謝料の金額が100万円を超えることは多くはなく、中には数万円程度の場合もあります。
 ただし、医療関係者による漏洩の場合には、刑事事件として立件されることを避ける必要があります。この場合には、患者さんから刑事告訴をされないよう、あるいは仮にされたとしても取り下げてもらうために、患者さん側の主張する請求金額をある程度そのまま受け入れざるをえない場合があるので、注意が必要です。

 このように正当な理由なくして患者さんの個人情報を開示した場合、刑事事件となったり、損害賠償請求を受けたりすることがあるので、普段から個人情報については十分な管理と注意が必要です。

  赤井・岡田法律事務所
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2014-09-25 09:00