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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

医療機関における個人情報管理(3)

 医療機関では、患者さんの診療録や検査記録など様々な個人情報を扱うことになりますが、これらについては適切に取り扱いをする必要があります。
 そこで、前回までは、医療機関における個人情報とは何か、個人情報の具体的な取り扱い、患者さんへの家族への開示、患者さん以外の第三者への開示について取り上げました。

 今回は、許されない開示をしてしまった場合の法的問題について検討してみたいと思います。

 既に述べましたが、個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名・生年月日その他の記述などにより特定の個人が識別することができるもの(個人情報保護法2条1項)を指します。
 具体的には、氏名、性別、生年月日に限らず、個人の身体、財産、職種、肩書き等の属性に関して、事実、判断、評価を表すすべての情報をいいます。

 それでは、この個人情報を許されない形で開示してしまった場合には、どのような法的問題が生じるでしょうか。

 まず、漏らしたのが医師自身であれば、秘密漏泄罪に問われることになります。
 正当な理由なくして職務上知り得た秘密を漏らした場合、刑法134条2項に該当し、6ヶ月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。
 例えば、医師が受け持ち患者さんの病名などを第三者に話した場合などがこれに該当します。
 もっとも、医師が治療の過程で知った秘密ではない、例えば、近隣の酒場で偶然見聞きしたことを第三者に話した場合は、この罪の対象とはなりません。

 また、正当な事由があって漏示した場合、例えば、感染症予防法では、医師が患者さんを保健所長に届け出る義務が定められていますが、これに基づく告知は正当な業務にあたり、秘密漏泄罪には問われません。

 なお、本罪は親告罪といって、被害者等の刑事告訴がなければ刑事訴追することが出来ない罪となっています。
 その他、医療関係者には各業法ごとに同様の処罰規定が規定されています(保健師助産師看護師法等)ので、注意が必要です。

  赤井・岡田法律事務所
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2014-09-18 09:00