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医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。弁護士法人 河原町総合法律事務所。


by 弁護士 赤井勝治

診療報酬の回収について(3)

 前回は、診療報酬債権の時効管理についてまでをお話ししました。

 今回は、実際の回収についてです。

 それでは、実際の回収はどのようにして行うことになるのでしょうか。

 まずは、口頭や書面での請求を何度か行います。

 それでも、患者さんが支払わない場合には、配達証明付内容証明郵便での請求を行います。
 このとき、請求書面には、請求の日、元々の支払期限、請求金額、その内訳、請求の相手方、請求者等を明記するとともに、「この書面到達後1週間以内にお支払い下さい」というように改めて最終の支払期限を設定するとともに、「その期間内にお支払いいただけない場合には、誠に遺憾ではありますが、法的手続を取らせていただきます」といった最後通告をしておきます。

 内容証明郵便というものに慣れていない患者さんの場合には、これだけで支払ってくるなり、何らかの連絡をしてくることがあります。
 連絡があれば、最低でも、患者さんに対して、前記の時効中断のための措置(一部支払いをしてもらったり、支払いを猶予して欲しいという書面を書いてもらったり、分割払いの約束を書面でしてもらう)を取っておきます。

 そして、このように内容証明郵便を送付しても、支払ってこない、また何の連絡もしてこないといった場合には、速やかに法的手続を取るべきです。

 法的手続としては、支払督促という制度の利用がお勧めです。
 これは、金銭債務の請求について、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に対して、支払督促の申立を行うもので、相手方から異議の申立がなければ、確定判決の同一の効力を得ることができます。
 これは裁判所を介する手続でありながら、定型的で簡便であり、必ずしも弁護士をつけなくても行うことができます。
 近時、滞納給食費の回収などにも利用されて効果を上げているようです。

 ただし、この支払督促は、相手方が異議を申し立てると通常の訴訟に移行してしまうのが弱点です。
 そこで、初めから、訴訟を提起するという方法もあります。
 訴訟のうち、請求額が60万円以下の場合には、少額訴訟という通常の訴訟と比べて、定型的で簡便な手続を利用することもできます。

 通常の訴訟を提起する場合でも、診療報酬の請求であれば、それほど作成する書面や用意すべき証拠も複雑ではありませんので、一度、弁護士に依頼して、その内容が分かれば、次からは必ずしも弁護士をつけなくても行うことが可能であると考えられます。

 支払督促や裁判は、これによって患者さんの財産に対して強制執行をするための手続ではありますが、これらの手続を取ることによって、患者さんが任意に支払いをしてくることが少なくありません。
 また、裁判の場合には、和解という形で話し合いがまとまることも少なくありません。

 未回収の診療報酬が医院経営を圧迫する前に、その対策を一度弁護士に相談してみられてはいかがでしょうか。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
by motomame | 2014-07-24 09:00