医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。赤井・岡田法律事務所HP: http://www.akai-okadalaw.com


by 弁護士 赤井勝治

相続について(9)

 遺言書がないか、あっても無効な場合には、法定相続人全員で遺産分割を行うことになります。

 なお、遺言書があって有効な場合でも、法定相続人全員で、その遺言内容と異なる内容の遺産分割を行うことは可能です。

 遺産分割とは、遺産を法定相続人間で具体的にどのように分けるのかを決めることであり、必ずしも法定相続分(割合)に従う必要はなく、自由に分け方を決めることができます。

 なお、借金については法定相続人間で、その負担の仕方を決めたとしても、それは相続人間では有効ですが、債権者(貸主)との関係では通用しません。
 債権者との関係では、法定相続人全員(相続放棄をした者は除く)が、法定相続分(割合)に応じて借金を引き継ぐことになります。

 遺産分割については、特にいつまでしなければならないといった期間の制限はありません。

 ただし、相続税の申告との関係では、申告期限(相続開始から10か月)内に分割を終えていないと適用を受けられない控除制度があります。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
        TEL(075)257-6033
        FAX(075)212-3670
執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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# by motomame | 2017-02-09 09:00

相続について(8)

 遺言書があり、それが有効である場合には、次に、その遺言により「遺留分」を侵害されていないかどうかを考える必要があります。

 「遺留分」とは、遺言によっても奪うことができない法定相続人の遺産に対する権利(取り分)であり、第3順位である兄妹姉妹以外の相続人について、それぞれの法定相続分の2分の1が「遺留分」として認められています。
 兄妹姉妹には「遺留分」は認められていません。

 遺言によって、自らの遺留分(法定相続分の2分の1)を取得することができなくなった場合に、遺留分を侵害されたと言い、この場合、その遺留分(法定相続分の2分の1)を取得させるよう請求することができます。
 これが「遺留分減殺請求」と呼ばれるものです。

 この請求をするかどうかは自由であり、必ずしなければならないというものではありません。

 遺留分減殺請求は、相続が開始し、遺言によって自分の遺留分が侵害されていることを知ったときから1年以内に行う必要があります。
 また、遺言によって自分の遺留分が侵害されたことを知ったかどうかにかかわらず、相続開始から10年が経過すると、請求することができなくなります。

 この遺留分減殺請求についても、話し合いでまとまらなければ、最終的には裁判で決着をつけることになります。

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# by motomame | 2017-02-02 09:09

相続について(7)

 相続が発生し、亡くなられた方が遺言書を作成されていた場合には、その遺言書の有効性などを考える必要があります。

 遺言書には、自筆証書によるものと公正証書によるものがあります。
 そのほかに、秘密証書によるものもありますが、利用されることは希なので、ここでは触れません。

 自筆証書とは、法律に定める形式にしたがって、遺言する本人が自筆で作成したものをいいます。

 公正証書とは、公証人によって作成されたものをいいます。

 自筆証書による遺言は、これが手元にある場合には、相続開始後すみやかに、家庭裁判所で「検認」という手続きを受ける必要があります。
 この「検認」という手続きは、自筆証書による遺言が、法律に定める形式にしたがって作成されているかどうかを確認する手続きであり、この手続きを受けたからといって、必ずしもその遺言が内容的にも有効になるわけではありません。
 なお、自筆証書による遺言に封印があれば(遺言書が封筒に入れられて封がしてあれば)、勝手に開封してはいけません。
 開封は、検認の手続きで行うことになります。

 公正証書による遺言が作成されているかどうかが不明な場合は、相続人にあたる者は、最寄りの公証人役場で調べてもらうことができます。

 遺言書が存在する場合には、その遺言書が法律的に有効なものかどうかを検討する必要があります。
 とくに、自筆証書による場合は、法律的に有効でないものが散見されますので、かならず検討する必要があります。

 そして、もし遺言書の有効性に疑いがあるような場合には、遺言が無効であるとの主張をしていくかどうかを検討することになります。

 遺言書の有効性については、遺言書を作成した時に、たとえば、作成した方が認知症であったり、病気で意識が朦朧としていた場合など、作成した方に遺言書を作成する能力があったかどうかが問題となることが少なくありません。

 なお、法律上、遺言は15歳以上であればすることができ、遺言書の作成に必要な能力としては、自分の行った行為の結果を理解する能力があれば足りるとされています。

 遺言が有効か無効かについては、争いになれば、最終的には裁判で決着をつけることになります。

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# by motomame | 2017-01-26 09:00

相続について(6)

 実際に相続が発生した場合、法定相続人は、まず、相続放棄が必要か否かを検討する必要があります。

 そのためには、遺産が債務超過になっているかどうかを確認しなければなりません。
 ここに債務超過というのは、簡略化して説明すると、亡くなった方が生前に借金をしておられ、残されたプラスの財産よりもその借金(マイナスの財産)の方が多いような状態をいいます。

 相続というと、一般にはプラスの財産だけを引き継ぐだけのように思われる方もおられますが、プラスの財産と同じように、マイナスの財産(借金)についても引き継ぐことになります。

 債務超過、すなわち借金の方が多い場合には、財産を引き継いでも、結局はそれを超える金額の借金を返済しなければならないわけですから、相続放棄することを検討しなければなりません。
 借金の方を多く支払ってでも特定の財産を引き継ぎたいような場合など特別な事情のある場合を除けば、通常は、相続放棄をすることになるでしょう。

 この相続放棄については、単に放棄しますと宣言するだけでは駄目で、家庭裁判所において、所定の手続きをしなければなりません。
 具体的には、家庭裁判所に、相続放棄の申述書という書類を提出して受け取ってもらう必要があります。

 そして、この相続放棄については、することのできる期間が定められています。
 その期間は、相続の開始があったことを知った時から3が月以内です。
 意外と期間が短いので、注意が必要です。

 ただし、借金や財産の金額が不明で、借金が財産を上回っているのかどうかが分からない場合には、その調査のために、家庭裁判所に申立てをして、この3か月という期間を延長してもらうことができます。
 これを「期間伸長の申立て」といいます。

 なお、相続開始後、相続放棄をする前に、遺産の全部または一部を処分するなど(たとえば、預貯金を引き出して使う等)してしまうと、後日、相続放棄ができなくなるおそれがあるので、注意が必要です。

 この相続放棄のほかに、プラスの財産が借金を超える部分だけを相続する「限定承認」という制度もありますが、相続人全員で行う必要があるうえ、その手続きが煩雑であるため、ほとんど利用されていません。

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# by motomame | 2017-01-19 09:00

相続について(5)

 前回の法定相続分の続きです。

 配偶者とその他の相続人がいる場合の最後として、配偶者以外に第1順位と第2順位の者が一人もおらず、兄妹姉妹がいる場合には、配偶者の法定相続分は4分の3で、兄妹姉妹は4分の1です。

 兄妹姉妹が複数いるときには、この4分の1を分け合うことになります。

 たとえば、ある男性が亡くなって、その妻と兄、姉がいる場合には、相続分は配偶者が4分の3、兄と姉はそれぞれ8分の1ずつとなります。

 なお、兄妹姉妹の相続分については、亡くなった者と父母の一方のみが同じ兄弟姉妹は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の半分になります。

 たとえば、ある男性が亡くなって、その妻と姉、弟がいる場合で、かつ、姉は亡くなった男性と父母が同じで、弟は父のみ同じという場合の相続分は、配偶者が4分の3、姉が12分の2(1/4×2/3)、弟は12分の1(1/4×1/3)になります。

 次に、配偶者がいない場合ですが、その場合、同一順位の相続人が一人しかいなければ、その者がすべてを相続することになります。

 同一順位の相続人が複数いるときは、原則として、その頭数によって等分することになります。
 これが等分とならない場合については、既に子及び兄弟姉妹のところで説明したとおりです。

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# by motomame | 2017-01-12 09:00