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by 弁護士 赤井勝治

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 医師の応招義務については、過去にも取り上げたことがありました。

 医師法19条1項は、「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と定めており、これを医師の応招(応召)義務と呼んでいます。
 
 そして、患者さんから診察、診療を求められたにもかかわらず、正当な事由もなくこれを拒んだ場合、医師の先生方には次のようなペナルティが課される可能性があります。
 
 まずは、応招義務違反を反復した場合には、医師の品位を損する行為として医師免許の取消等の行政処分の事由となる場合があります(旧厚生省の行政解釈)。
 
 また、医師の先生方が診療拒否したことにより、患者さんに損害が発生した場合には、先生方に過失があるとの一応の推定が働き、拒否することについて正当な事由があったことを証明しない限り、その損害を賠償する責任を負うことになります。

 では、どのような場合に、「正当な事由」があったとされるのでしょうか。

 この点、前回に取り上げた際には、旧厚生省の行政解釈による基準によれば、医師の先生方には、かなり厳しい義務が課せられており、「正当な事由」が認められる場合は限定的であって、しかも、残念ながらこの点に関する裁判例などの前例がほとんどないため、どのような場合であれば「正当な事由」が認められるのかを一般的に論ずることは容易ではない旨を述べました。

 しかしながら、インターネットの情報などの中には、医師と患者さんとの間の診療契約上の信頼関係が破壊されている場合には、診療を拒否しても、応招義務違反にはならないかのような記載が散見されます。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
        TEL(075)257-6033
        FAX(075)212-3670
執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2017-02-23 09:00

相続について(10)

 遺産分割の行い方は、まずは「話し合い(協議)」です。

 相続人全員で話し合うことになりますが、全員が合意しない、すなわち一人でも反対する者がいるなど全員の間で話し合いがまとまらなければ有効な遺産分割は成立しません。

 そして、当事者間の話し合いでは話がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。

 この「調停」という手続きは、裁判と異なり、あくまで話合いを行うための手続きです。
 当事者だけでは話合いができなかったり、話がまとまらないため、調停委員や調停官という第三者に間に入ってもらって話合いをするための手続きです。

 あくまで話合いの手続きであるため、この調停によっても全員の間で話がまとまらなければ解決には至りません。

 調停によっても解決に至らなかった場合には、家庭裁判所の審判という手続きでの解決を図ることになります。

 この「審判」という手続きは、裁判に近い手続きで、最終的には、裁判官が決定(裁判でいうところの「判決」と同じようなもの)により、分割の内容を決めることになります。

 この「決定」に不服がある場合には、異議を申し立てることができますが、基本的には、この「審判」での「決定」を出してもらうことが最終的な解決方法となります。

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by motomame | 2017-02-16 09:00

相続について(9)

 遺言書がないか、あっても無効な場合には、法定相続人全員で遺産分割を行うことになります。

 なお、遺言書があって有効な場合でも、法定相続人全員で、その遺言内容と異なる内容の遺産分割を行うことは可能です。

 遺産分割とは、遺産を法定相続人間で具体的にどのように分けるのかを決めることであり、必ずしも法定相続分(割合)に従う必要はなく、自由に分け方を決めることができます。

 なお、借金については法定相続人間で、その負担の仕方を決めたとしても、それは相続人間では有効ですが、債権者(貸主)との関係では通用しません。
 債権者との関係では、法定相続人全員(相続放棄をした者は除く)が、法定相続分(割合)に応じて借金を引き継ぐことになります。

 遺産分割については、特にいつまでしなければならないといった期間の制限はありません。

 ただし、相続税の申告との関係では、申告期限(相続開始から10か月)内に分割を終えていないと適用を受けられない控除制度があります。

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by motomame | 2017-02-09 09:00

相続について(8)

 遺言書があり、それが有効である場合には、次に、その遺言により「遺留分」を侵害されていないかどうかを考える必要があります。

 「遺留分」とは、遺言によっても奪うことができない法定相続人の遺産に対する権利(取り分)であり、第3順位である兄妹姉妹以外の相続人について、それぞれの法定相続分の2分の1が「遺留分」として認められています。
 兄妹姉妹には「遺留分」は認められていません。

 遺言によって、自らの遺留分(法定相続分の2分の1)を取得することができなくなった場合に、遺留分を侵害されたと言い、この場合、その遺留分(法定相続分の2分の1)を取得させるよう請求することができます。
 これが「遺留分減殺請求」と呼ばれるものです。

 この請求をするかどうかは自由であり、必ずしなければならないというものではありません。

 遺留分減殺請求は、相続が開始し、遺言によって自分の遺留分が侵害されていることを知ったときから1年以内に行う必要があります。
 また、遺言によって自分の遺留分が侵害されたことを知ったかどうかにかかわらず、相続開始から10年が経過すると、請求することができなくなります。

 この遺留分減殺請求についても、話し合いでまとまらなければ、最終的には裁判で決着をつけることになります。

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by motomame | 2017-02-02 09:09