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by 弁護士 赤井勝治

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 前回、被害者が警察に提出する診断書は、加害者の刑事処分を判断するために使われる旨述べました。
 では、具体的には、どのように使われるのでしょうか。

 刑事処分というのは、加害者を自動車運転過失致傷罪という罪に問うか否かを決めるための手続です。

 具体的には、警察が捜査をして、事件を検察庁に送致し、検察官が、その加害者を起訴する(裁判にかける)か否かを決めます。

 そして、起訴ということになれば、裁判官が裁判において、その加害者の有罪、無罪及び有罪の場合には処罰すべき刑(罰金刑・禁固刑・懲役刑等)を決めることになります。

 このとき、警察や検察官が診断書に求める主たる情報は、受傷した部位と外傷の内容(捻挫、打撲、骨折等)、及びその治療期間の見込みです。

 これらは、まず、そのまま犯罪事実ないしは公訴事実(裁判の際に判断の対象とされる犯罪事実)の一部として使用されます。
 具体的には、「加害者は、~(事故態様)によって、被害者に対し、加療○週間を要する頸部(受傷した部位)捻挫(外傷の内容)の傷害を負わせたものである。」といった感じになります。

 そして、治療期間の見込みについては、さらに、刑事処分の内容に対して強い影響を与えます。

 具体的には、まず起訴、不起訴の判断が、主として診断書に記載された治療期間(見込み)の長短によってなされます。その一つの目安は、2週間です。
 したがって、軽微な怪我については、2週間以内の期間で記載していただくのが弁護士の立場からすれば、相当であろうと考えております。

 この点、たとえば、軽度な頸部捻挫であっても、病理学的には治癒するまでに1か月以上かかるという場合もあるでしょう。
 しかし、そのような内容の診断書が提出されると、加害者は、軽微な事故であっても起訴され、その結果罰金等の前科がつくおそれがあります。
 これは、刑事罰の発動はできる限り抑止的であるべきとの観点からすれば、いかがなものかと思われます。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
        TEL(075)257-6033
        FAX(075)212-3670
執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2016-06-30 09:00
 われわれ弁護士は、仕事上、医師の作成された診断書を様々な場面で使わせていただいております。

 その際、作成される医師によって、その作成のしかたがまちまちであるうえ、その記載内容に戸惑うことや、困ってしまうことが多くあります。
 間違っていたらお許しいただきたいのですが、医師は、診断書の作成方法についての教育をほとんど受けておられないと聞き及んでおります。
 そこで、今回は、弁護士の立場から、診断書をこのように作成していただけば助かりますという内容について述べさせていただきます。

 弁護士は、様々な場面で診断書にかかわることが多いのですが、今回は、最もかかわる頻度の高い交通事故に関して述べることにします。

 交通事故では、事故直後に患者さんが医療機関を受診し、診断書が作成されます。

 この段階での診断書は、大きく分けて、二つの目的で使用されることになります。
 一つは、加害者の刑事処分等を判断するための資料としてです。
 二つ目は、被害者から加害者に対する民事上の損害賠償請求のためです。

 それでは、それぞれについて見ていくことにします。

 まず、交通事故の被害者は、警察に提出するための診断書を必要とします。
 これは、人身事故の場合、自動車運転過失致傷罪の被害者として、被害申告を警察にしておく必要があるからです。

 これをしておかないと、交通事故があったことを証明するための「交通事故証明書」を発行してもらうことができず、後で述べる民事上の損害賠償請求を円滑に行うことに支障をきたすことになります。

 また、この被害申告により、加害者に対する刑事手続が開始します。
 すなわち、警察は、交通事故の場合、死亡事故などの重大事故を除けば、事実上、この被害者からの被害申告を受けてから本格的な捜査に着手します。
 そして、このとき被害者が警察に提出する診断書は、加害者の刑事処分を判断するために使われます。

 また、併せて、行政処分を判断するためにも使われます。

 では、具体的には、どのように使われるのでしょうか。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2016-06-23 09:00
 相手方の話が終われば、「ただいまのお話を持ち帰り、十分検討して改めて当方よりご連絡いたします」とゆっくり、はっきりと述べて自らもメモし、面談を打ち切ります。

 要求を認めないと帰さないとか、同じ目に遭わせるなどの脅迫がなされた場合は、何度かは断って交渉を打ち切り、終了を申し入れます。
 それがどうしても聞き入れられないときは、一方的に打ち切りを宣言して立ち上がり、ゆっくりと退出の動きをとりましょう。

 これに対し、相手方が物理的に退出を止めた場合、物を壊したり、相手に怪我をさせない程度で少し揉み合い、その後席に戻り、「帰してもらえないのなら仕方ありません。ご要求通りにします。」と発言します。
 そして、相手の要求する文書があれば、全く言いなりに、署名捺印します。
 このとき、交渉めいたことは一切言ってはなりません。

 解放された後、当方の責任者に連絡するとともに、警察にも通報したうえ、作成された文書の取消手続をとることになります。

 このような場面で、武勇伝はいりません。
 多少の修羅場は仕方ないなどとは決して考えず、ひたすらそういう目にあわないように用心して回避するようにしてください。

 なお、クレーム対応では、相手方から何か一筆書くように求められても、一切応じないのが原則です。
 一度書面にしてしまうと、これを後で覆すのは困難か、覆せるとしても、たいへんな労力を要するので注意が必要です。

 先のケースは、あくまで例外であり、身の安全を最優先したうえで、後日、監禁状態の下で強迫され、意思に反して署名捺印をさせられたとして、作成された文書の効力を取り消すことを想定しています。

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by motomame | 2016-06-16 09:00
 面談の場では、最初の挨拶から別れに至るまで終始、対等・平等の姿勢を失わないように努力してください。

 まず初めは、さわやかな挨拶から入り、次に名刺交換をします。
 最初に相手方に会ったときにも、おどおどして卑屈にならず、堂々と挨拶して名刺を交換し、相手方が名刺を出さないときには氏名と立場(関係)、連絡先等を聞いてメモをするようにしましょう。
 これは、当方も相手方側も出席者全員に対して行う必要があります。

 仮に、これを明らかにしない人が相手方の側にいれば、「当方は全員真剣に責任をもってこの席に臨み素性を明らかにしました。あなただけ、お名前も教えていただけないのは公正とは思えません」という旨を述べて、原則としてその人には退席してもらうようにしましょう。

 そして、相手方から悪口、雑言が出れば、相手方の名前を呼んで、「~さん、そういう言い方をされると、まともなお話はできないのではないでしょうか」と発言するようにします。

 面談では、まず相手方の言い分を十分に聞きましょう。

  このとき、相手方の発言が単なる感情の発露にすぎないような場合であっても、それは承知のうえで黙ってメモをとり、ひたすら聞きます。

 相手方の発言中は、その真意を理解するために、わかりにくいことや、聞き取りにくい言葉等を確認するくらいで、相づちや反論、説明、弁解など相手方に新しい攻撃のきっかけを与えるような発言は一切しないことが必要です。
 明白な誤解や誤りがあってもメモするだけでそのときには言わないようにしましょう。

 相手方が複数で、相手方の1人が発言中に相手方の他の者が介入したような場合、その介入した者の発言を制し、元の者の発言を終わりまで聞きたいと言って続けさせ、その人の言いたいことを一気に言い尽くさせてしまいます。

 相手方が同じ話しを繰り返す場合には、「それは先に十分にお伺いしてメモも取っています」と言って制するようにします。
 それでも繰り返すような場合は、「あなたのお話をこれで○○分間お伺いしています。今回は、○○時までの予定ですが、そろそろ次の方の話しに移らなくていいですか」あるいは「そのお話は先ほどから伺いしてメモも取っています。時間の問題もありますから先に進んでいただけますか」と言って制しましょう。

 相手方から問いかけがあっても決して相づちを打ったりしてはいけません。
 曖昧に肯定的な相づちを打つと、肯定した、決めた、約束したなどと迫られる原因になるので、対応しないで聞き流します。
 それでも、どうしても答えを迫られたときには、「すみません。もう一度ご質問を言って下さい。」と改めて質問を確認しましょう。
 そうすると、自然と次の異なる話しに移行してしまい、結局回答は必要なしに終わることがほとんどです。

 どうしても即答を迫られた場合には、「私としては持ち帰ってさらに調査、検討を加えたうえ慎重な回答をしたいと考えますが、どうしても現段階での即答をということでしたら、ご要求については、すべてお断りする(あるいは最小限の~のみを認め、他は断る)とのご回答をさせていただきます」と対応しましょう。

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by motomame | 2016-06-09 09:00
 次に、クレームへの対応として、その場での謝罪等の対応では解決に至らず、後日にわたっての対応が必要になった場合について述べていきます。

 まずは、そもそも面談の場を設定すべきか否かを検討する必要があります。

 単なる言いがかりや功利的な意図のもののケースについては、面談の場を設ける必要はなく、また適切でもありません。
 面談の場を設けたこと自体で相手方に何がしかの期待を持たせてしまい、解決を長引かせてしまう要因になりかねません。

 そういったケース以外で、面談の場を設定する場合には、何のためか(例えば、ミスのあることが明白なので改めて謝罪に行く、単に話を聞きに行く、何らかの回答をする、何らかの説明をする)を明らかにして、それにそった場を設定すべきです。

 そして、この場の設定に際しては、相手方の一方的な言いなりの日時に、言いなりの場所で、言いなりの方法でやるようなことはせず、できる限り相手方との対等・平等を貫くように努力してください。
 場所は、相手方の意向とも合わせて慎重に検討して決定すべきです。

 相手方の自宅では相手方が納得しない限り帰りにくくなるおそれがあります。他方、こちらの施設内、特に出入口から遠い場所にある事務所などでは居座られると困ることになります。
 よって、できれば、相手方に対しタクシーの送迎をつけてでもホテルなどの第三の場所にするのが好ましいのですが、それが難しい場合で、こちらの施設内にする場合であっても、出入口から近く、かつ第三者の出入りが容易な場所を選ぶのが賢明でしょう。
 いざというときに、警察の協力を求めることも視野にいれておくべきです。

 また、面談の場への参加者はあらかじめ確認しておきましょう。

 当方は通常は2~3人がよいと思われます。1人というのはまずいですが、多すぎるのも相手方の要求を重く受けとめていると思われ相手方の要求がエスカレートする要因となりかねません。

 相手方の人数は常識的な範囲であればこだわる必要はないでしょう。

 面談の時間は、必ずあらかじめ区切っておくべきです。
 これは、予定時間が過ぎれば、いつでも打ちきることのできる権利を留保しておくためです。

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by motomame | 2016-06-02 09:00