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by 弁護士 赤井勝治

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 本記事は、厚生労働省HPで公開されている「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の改正について(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz.html)掲載の「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について(平成24年3月4日改正)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz-att/2r98520000024nvn.pdf)を加工して作成させていただいております。

 (4)麻薬及び向精神薬取締法違反、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反(麻薬、向精神薬、覚せい剤及び大麻の不法譲渡、不法譲受、不法所持、自己使用等)

 麻薬、覚せい剤等に関する犯罪に関する刑事処分は、懲役刑となることが多く、その量刑は、麻薬等の量、使用期間の長さ等を勘案して決定され、累犯者についてはさらに重い処罰となっています。
 行政処分の程度は、基本的には司法手続における刑事処分の量刑などを参考にしますが、国民の健康な生活を確保する任務を負う医師として、麻薬等の薬効の知識を有し、その害の大きさを十分認識しているにもかかわらず、自ら違反したということから、重い処分とされます。

 (5)殺人及び傷害(殺人、殺人未遂、傷害(致死)、暴行等)

 本来、人の生命・身体の安全を守るべき立場にある医師が、殺人や傷害の罪を犯した場合には、厳正な処分をすべきと考えられますが、個々の事案によってその態様や原因が様々であることから、これらが考慮されることになります。
 行政処分の程度は、基本的には司法手続における刑事処分の量刑などを参考にしますが、殺人、傷害致死といった悪質な事案は当然に重い処分とされ、その他の暴行、傷害等は、医師としての立場や知識を利用したかどうか、犯行に及んだ情状などを考慮して判断されます。

(6)交通事犯(危険運転致死傷、過失運転致死傷、道路交通法違反等)

 自動車等による過失運転致死傷罪等については、医師に限らず、不慮に犯しうる行為であり、また、医師としての業務と直接の関連性はなく、その品位を損する程度も低いことから、基本的には戒告等の取扱とされます。
 ただし、危険運転致死傷罪やひき逃げ等の悪質な事案については、基本的には司法手続における刑事処分の量刑などを参考にしますが、人の生命・身体の安全を守るべき立場にある医師としての倫理が欠けていると判断される場合には、重めの処分とされます。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
        TEL(075)257-6033
        FAX(075)212-3670
執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2015-12-24 09:00
 本記事は、厚生労働省HPで公開されている「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の改正について(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz.html)掲載の「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について(平成24年3月4日改正)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz-att/2r98520000024nvn.pdf)を加工して作成させていただいております。

 これまでの基本的な考え方を踏まえて、事案別(各論的)には、以下のように考えられています。

(1)医師法違反(無資格医業の共犯、無診察治療等)

 医療は国民の健康に直結する極めて重要なものであることから、医師法において、医師の資格・業務を定め、医師以外の者が医業を行うことを禁止し、罰則規定が置かれています。
 行政処分の程度は、基本的には司法手続における刑事処分の量刑などを参考にしますが、医師自らが医師法に違反する行為は、その責務を怠った犯罪として重い処分とされます。

(2)保健師助産師看護師法等その他の身分法違反(無資格者の関係業務の共犯等)

 医療関係職種の身分法は、医師の補助者として医療に従事する者の資格・業務について規定した法律です。
 行政処分の程度は、基本的には司法手続における刑事処分の量刑などを参考にしますが、医療において指導的立場にある医師自らが、このような医療に関する基本的な法令に違反する行為は、医師が当然に果たすべき義務を怠った犯罪として重い処分とされます。

(3)医薬品医療機器法(旧薬事法)違反(医薬品の無許可販売又はその共犯等)

 医薬品医療機器法は、医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保に必要な措置等を講じることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする法律です。
 ここでも行政処分の程度は、基本的には司法手続における刑事処分の量刑などを参考にしますが、国民の健康な生活を確保する任務を負う医師自らが、同法律に違反する行為は、基本的倫理を遵守せず、国民の健康を危険にさらす行為であることから、重い処分とされます。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2015-12-17 09:00
 本記事は、厚生労働省HPで公開されている「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の改正について(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz.html)掲載の「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について(平成24年3月4日改正)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz-att/2r98520000024nvn.pdf)を加工して作成させていただいております。

 医師に求められる倫理に反する行為については、基本的(総論的)には以下のように考えられています。

 まず、応招義務などの医師がその業務を行うにあたって当然負うべき義務を果たしていないことに起因する行為については、国民の医療に対する信用を失墜させるものであることから、厳正な処分の対象となります。

 また、業務以外の行為であっても、他人の生命・身体を軽視するような行為についても、同様に厳正な処分の対象となります。

 さらに、業務を行うにあたり自己の経済的利益のみを不正に追い求めた行為も、医業が非営利の事業と位置づけられていることに鑑み、厳正な処分の対象となります。

 そのほか、医療を提供する機会及び医師としての身分を利用して行った行為や、業務とは直接関係を有しなくても経済的利益を求めて行われた不正行為も処分の対象となります。

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by motomame | 2015-12-10 09:00
 医師法4条は、医師免許を与えないことがある事由について、同法7条は、医師免許を取り消す場合の事由について定めています。
 そのうち、行政処分との関係で、主に問題となるのは、同法4条では、3号の「罰金以上の刑に処せられた者」と4号の「前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者」という規定です。
 同法7条では、2項で「医師が第4条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。①戒告、②3年以内の医業の停止、③免許の取消し」と規定されています。

 ここから以降は、厚生労働省HPで公開されている「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の改正について(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz.html)掲載の「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について(平成24年3月4日改正)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000024nfz-att/2r98520000024nvn.pdf)を加工して作成させていただきました。

 当然のことですが、医師の行政処分は、公正、公平に行われなければならず、処分の対象となった行為の事実、経緯、過ちの軽重等が正確に判断されなければなりません。

 そのため、処分内容の決定にあたっては、司法手続における刑事処分の量刑、刑の執行猶予の有無といった判決内容が基本的に参考とされ、その上で当該行為が医師に求められる倫理に反する行為であると認められる場合には、これも考慮して判断がなされることになります。

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by motomame | 2015-12-03 09:00