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by 弁護士 赤井勝治

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 「道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン」の概要紹介の最終回です。

 公安委員会への届出について

 道路交通法101条の6第1項は「医師は、その診察を受けた者が第103条第1項第1号、第1号の2又は第3号のいずれかに該当すると認めた場合において、その者が免許を受けた者又は第107条の2の国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者(本邦に上陸(同条に規定する上陸をいう。)をした日から起算して滞在期間が1年を超えている者を除く。)であることを知ったときは、当該診察の結果を公安委員会に届け出ることができる。」と規定しています。

 「~届け出なければならない」ではなく「~届け出ることができる」と規定されていることから、いわゆる義務規定ではないとされています。
 しかし、たとえば、前記(1)から(5)までの手順に従ったのに、(6)の届出をしなかったところ、当該患者が重大な交通事故を発生させてしまったというようなケースの場合、被害者側から医師の責任を追及されるという事態も想定されるところです(責任までは認められなくても、少なくとも、そのような紛争に巻き込まれる可能性が想定されます)。

 医療者としては、このガイドラインが作成・公表された以上は、単なる努力規定にとどまらず、事実上の義務規定であると捉え、慎重に診察に当られたられることが望ましいものと考えられます。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
        TEL(075)257-6033
        FAX(075)212-3670
執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2015-02-26 09:00
 引き続き、「道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン」の概要について紹介します。

 公安委員会への確認について

 そのための定型の書式が用意され、患者の住所・氏名・性別・生年月日・年齢などの必要事項を記入して、都道府県公安委員会に確認を要求することができるようになっています。
 道路交通法101条の6第2項は、医師から「確認を求められたときは、これに回答するものとする。」と規定していますので、確認要求をしたけれども回答がなされないということはないでしょう。

 患者などへの説明・指導について

 このガイドラインは、患者の人権に十分な配慮をしつつ、自動車を運転することが危険な人を診察した医師の社会の安全を図るという使命を果たすための手順を定めたものです。
 したがいまして、患者本人やその家族に対しては、丁寧な説明と適切な指導が不可欠であると考えられます。
 他方で、医師としては、後日のトラブルを未然に防止するために、ガイドラインに基づいた説明や指導を行ったことを診療録に記載しておく必要があります。

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by motomame | 2015-02-19 09:00
 前回に引き続き、「道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン」の概要について紹介します。

 「一定の症状を呈する病気等」について

 文言の解釈としては、「病気等」のうち、「一定の症状を呈する」ものが対象となると読みます。したがいまして、「病気等」であっても「一定の症状」を呈しないものは除かれることになります。

  「病気等」について、道路交通法施行令は、①統合失調症、②てんかん、③再発性の失神、④無自覚性の低血糖症、⑤そううつ病、⑥その他の精神障害(急性一過性精神病性障害、持続性妄想性障害等)、⑦重度の眠気の症状を呈する睡眠障害、⑧脳卒中、⑨認知症、⑩アルコール、麻薬、あへん又は覚せい剤の中毒をあげています(同施行令第38条の2、33条の2の3)。

 前述のとおり、これらの病気等のうち、「一定の症状」を呈する、すなわち、「自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状」を呈する患者のみがガイドラインの対象となります。
 たとえば、「てんかん」と診断された場合であっても、発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害や運動障害がもたらされないもの、発作が睡眠中に限り再発するものは「一定の症状」を呈するものとは言えませんので、対象からは除かれます。

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by motomame | 2015-02-12 09:00
 近年、てんかん治療を受けている人による交通事故がニュースになり、問題視されています。
 そこで、今回はこれに関連する話題を取り扱うことにします。

 本年6月1日に、一定の症状を呈する病気等に係る運転免許制度に関する道路交通法の一部を改正する法律(平成25年6月公布)が施行されました。
 この法律の施行を受けて、公益社団法人日本医師会は、本年9月、「道路交通法に基づく一定の症状を呈する病気等にある者を診断した医師から公安委員会への任意の届出ガイドライン」を発表しました。
 このガイドラインについて、その概要をご紹介したいと思います。

 医師による「任意の届出」に至るまでの具体的手順について、ガイドラインでは次のように定めています。

(1) 医師は、患者を診察し、関係学会が作成するガイドライン等を参照して、当該患者が「一定の症状を呈する病気等」に該当すると診断した場合には、運転免許の保有の有無を確認する。

(2) 当該患者からの聞き取りにより、運転免許の保有の有無が確認できない場合には、公安委員会に確認することができる。

(3) 運転免許の保有が確認された場合は、当該患者の疾病及び症状が自動車の運転に支障を来す恐れがあることを患者に丁寧に説明するとともに、運転をしないよう指導し、診療録に記載する。

(4) 患者への指導が困難な場合は、その家族等を通じての指導を考慮する。

(5) 上記(3)及び(4)を実施しても当該患者が受け入れず、現に運転している場合には、当該患者の診断結果について、医師は個人情報を含め公安委員会へ届け出ることができる旨を説明の上、運転しないよう再度指導し、その旨を診療録に記載する。

(6) 上記の説明にもかかわらず、一定の症状を呈する病気等の患者が運転免許を保有し、かつ、現に運転していることが明らかな場合には、医師は定められた書式を公安委員会から入手し、必要事項を記入した上で届け出ることができる。
 届出は公安委員会に持参するか、あるいは書留で郵送する。

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by motomame | 2015-02-05 09:00