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by 弁護士 赤井勝治

医療器具の事前点検義務について(1)

 平成19年4月から、医療法により、それまで病院と有床診療所のみが対象となっていた医療安全対策が、無床診療所にも義務づけられています。
 その一環として、医療機関は、使用している医療器具等の医療機器について保守点検を怠らないようにする必要があります。

 この点が問題となった裁判例は多くはありませんが、有名なものとしては、東京地方裁判所平成15年3月20日判決があります。

 この裁判例は、平成13年3月に都立病院において発生した、呼吸回路機器の不具合により乳児が亡くなられた医療事故について、組み合わせて使用された医療器具の製造・輸入販売会社2社の製造物責任と医師を雇用していた東京都の使用者責任が問われた事件についてのものです。

 詳細な事案の紹介は省きますが、この裁判例では、医療器具の製造・輸入販売会社2社の製造物責任と当該器具を使用前に点検しなかった医療機関の責任が認められました。

 医療器具の製造・輸入販売会社2社の製造物責任に関しては、他社製の呼吸回路機器を接続することによって閉塞が起きる可能性があり、そのような場合には医療器具を使用しないよう指示・警告を発する等の措置を取らない限り、指示・警告上の欠陥があり、製造物責任を負うと判断されました。
 また、たとえ医療器具を使用した医師に注意義務違反が認められるからといって、製造物責任を免れられるものではないとの判断も示しました。

 この裁判例では、上記の製造物責任のほかに、医師の医療器具の事前点検義務が争点となりました。
 今回は、この点について、述べたいと思います。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2017-10-05 09:00