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by 弁護士 赤井勝治

法定相続情報証明制度について(2)

 「法定相続情報証明制度」の概要を解説する前に、これまで、相続登記をはじめとする相続手続を各種窓口で申請するために、どのような作業が必要とされていたのかを説明しておきます。

 まず、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍関係の書類(戸籍・除籍・改製原戸籍の謄抄本や住民票の写しや住民票の除票など)を集めます。
 
 相続人を特定するためには、被相続人のすべての戸籍関係の書類を漏れなく確認する必要があります。
 戸籍は、被相続人が生まれてから結婚による分籍や転籍、戸籍のコンピュータ化による改製などにより、複数種類にわたる場合が少なくありません。養子縁組や離縁などの身分行為がある場合も同様です。
 市区町村役場で戸籍謄本を請求する際には、あらかじめ、相続手続きに必要なため、被相続人の出生から亡くなるまでの連続した戸籍関係の書類が必要であることを伝える必要があります。

 なお、「所有者不明土地」とはなっていないまでも、何代にもわたって相続登記がなされていないというケースもあり、何世代も前の「被相続人」を起点にして、民法(ケースによっては旧民法)の定める法定相続人すべての戸籍関係の書類を集めなければならなくなり、多大な労力と費用がかかる場合もあります。

 次に、集められた戸籍関係の書類に基づいて、「相続関係図」を作成します。この相続関係図には、被相続人の氏名、最後の住所、生年月日・死亡年月日のほか、法定相続人の氏名、住所、生年月日および続柄が記載され、文字通り、被相続人の相続関係が一覧できるようになっています。

 ただし、公式のフォーム(書式)はなく、たとえば、弁護士が作成するものであっても、縦書き・横書きなど形式はさまざまです。

 相続手続きは、相続登記であれば法務局、被相続人名義の預金の払戻しであれば銀行等の金融機関の担当窓口ということになります。

 登記申請書や払戻申請書などの必要書類とともに、戸籍関係の書類の原本(「戸籍の束」と呼ばれています。)と相続関係図の提出が求められ、相続関係図の正確性(相続人が特定されているか否か)が逐一チェックされます。
 チェックが終われば、戸籍の束は返却されますが、どの機関でも戸籍の束の提出を求められるので、複数の機関への提出が必要な場合には、複数の戸籍の束を用意するか、提出と返却を繰り返し行うかを余儀なくされます。戸籍関係の書類の中には発行から3か月以内のものという条件が付されているものもあり、期限切れのものについては再調達を余儀なくされることもあります。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2017-06-15 09:00