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by 弁護士 赤井勝治

医療法人のたたみ方について(5)

 事業譲渡とは、医療法人そのものではなく、法人が営んでいる事業のみを第三者に譲り渡す(売却する)ことです。

 医療法人に負債が多いなどの理由で経営がたちゆかなくなった場合でも、法人が行っていた事業自体には価値が認められる場合があります。

 たとえば、医療法人が単一ではなく、いくつかの事業(たとえば複数の病院)を営んでおり、その中に一つだけ採算の取れている事業がある場合、この事業だけを売却できる可能性があります。

 このように事業自体に価値がある場合には、これを相当な対価で第三者に売却し、その代金を法人の任意整理のための費用に充てるなどして、法人をたたむことが考えられます。

 ただし、事業譲渡の場合には、個々の財産や契約上の地位を移転させるため、契約の相手方の同意をとる必要があります。

 このような同意をとる必要のない方法として分割という制度があります。

 平成27年度改正以前の医療法では、医療法人の組織改編としては合併のみが規定されていましたが、改正後は分割も規定されました。

 医療法人の分割には、吸収分割と新設分割の2種類があります。

 吸収分割とは、医療法人が事業の一部を分割後に他の医療法人に承継させるケースを言います。

 新設分割とは、新しく医療法人を作って、ここに分割する事業を承継させるケースを言います。

 ただし、持分の定めのある医療法人は、分割制度の対象とはできないとされていることから、廃業のケースは、ほとんど利用することはないものと考えられます。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2017-05-25 09:00