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by 弁護士 赤井勝治

医師の応招義務について(続)(4)

 前回までに、2つの裁判例をご紹介しました。

 医師と患者さんとの間の診療契約の法的な性質については、病気を診察治療することを内容とする「準委任契約」であるとされています。

 この「準委任契約」とは、当事者の一方が法律行為でない事務を委託し、相手方がこれを承諾することで成立する契約のことを言います。

 そして、診療契約は、契約当事者間(ここでは医師と患者さんとの間)の信頼関係に基づく契約であると考えられます。

 したがって、この当事者間の信頼関係が決定的に破壊されるような事情が発生した場合には、もはや当事者は契約関係に拘束されることがなくなると考えることは可能でしょう。

 そういった見地から上記の裁判例を見てみると、医師や病院と患者さんとの間の信頼関係が破壊されている場合には、診療拒否に正当な事由があると認められるようにも読めなくもありません。

 しかし、これらは、それぞれの事案においては妥当な判断ではあっても、一般化することまでできるかというと疑問です。

 というのも、いずれの裁判例も、詳細に事案を見ると、それぞれが特殊な事案と言えなくもないからです。

 よって、安易に一般化してしまうのは危険です。
 
 むしろ、ケースによっては、信頼関係の破壊によって診療拒否に正当な事由があると認められる場合があると考えるのが相当でしょう。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2017-03-16 09:00