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by 弁護士 赤井勝治

弁護士の立場から見た診断書作成について(2)

 前回、被害者が警察に提出する診断書は、加害者の刑事処分を判断するために使われる旨述べました。
 では、具体的には、どのように使われるのでしょうか。

 刑事処分というのは、加害者を自動車運転過失致傷罪という罪に問うか否かを決めるための手続です。

 具体的には、警察が捜査をして、事件を検察庁に送致し、検察官が、その加害者を起訴する(裁判にかける)か否かを決めます。

 そして、起訴ということになれば、裁判官が裁判において、その加害者の有罪、無罪及び有罪の場合には処罰すべき刑(罰金刑・禁固刑・懲役刑等)を決めることになります。

 このとき、警察や検察官が診断書に求める主たる情報は、受傷した部位と外傷の内容(捻挫、打撲、骨折等)、及びその治療期間の見込みです。

 これらは、まず、そのまま犯罪事実ないしは公訴事実(裁判の際に判断の対象とされる犯罪事実)の一部として使用されます。
 具体的には、「加害者は、~(事故態様)によって、被害者に対し、加療○週間を要する頸部(受傷した部位)捻挫(外傷の内容)の傷害を負わせたものである。」といった感じになります。

 そして、治療期間の見込みについては、さらに、刑事処分の内容に対して強い影響を与えます。

 具体的には、まず起訴、不起訴の判断が、主として診断書に記載された治療期間(見込み)の長短によってなされます。その一つの目安は、2週間です。
 したがって、軽微な怪我については、2週間以内の期間で記載していただくのが弁護士の立場からすれば、相当であろうと考えております。

 この点、たとえば、軽度な頸部捻挫であっても、病理学的には治癒するまでに1か月以上かかるという場合もあるでしょう。
 しかし、そのような内容の診断書が提出されると、加害者は、軽微な事故であっても起訴され、その結果罰金等の前科がつくおそれがあります。
 これは、刑事罰の発動はできる限り抑止的であるべきとの観点からすれば、いかがなものかと思われます。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2016-06-30 09:00