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by 弁護士 赤井勝治

医療機関の事業承継について-M&A-(4)

 次に、お金の問題があげられます。

 医療機関のM&Aを扱う専門家が入ることで、事業譲渡の対価については、ある程度は根拠のある数字がはじき出されます。

 ここでは詳しくは割愛しますが、病院の土地建物といった不動産については不動産評価により、医療機器といった設備機器などの動産類は時価や帳簿残存価格などにより、いわゆる営業権については保険診療報酬や収入などの総合的な判断により、といった具合に、数字がはじき出されます。
 ただ、こういった事業譲渡の対価は、常にケースバイケースであり、特に医療機関の営業権についてはそれほどしっかりとした評価基準なり評価方法がまだ確立されていないという印象を受けています。

 そもそもがそのようなものである上に、そこに当事者の主観的な価値観が付け加わります。
 さらに、元々譲渡する側はできるだけ高額で、譲渡を受ける側はできるだけ低額でと考えるのが当然ですので、そう簡単にお金の問題での折り合いがつくわけではありません。

 専門家の立場から言わせていただけるならば、双方が欲を出さない場合には、少なくともお金の面では折り合いがつきます。

 譲渡する側は、本来なら廃院して対価など入ってこない(のみならず、逆に費用がかかる)わけですから、相当程度の譲歩をする姿勢が必要です。

 また、譲渡を受ける側も、本来なら、一から開院すればかなり高額な投資が必要なところを、少ない投資ですむうえに、上手くいけば患者さんまで引き継げるのですから、それ相応の対価を支払おうとする姿勢が必要です。

 先の上手くいかなかった実例では、お金の問題も原因の一でした。
 譲渡を受ける側には、少しでも安くという態度がありありと出ているように思われました。
 また、譲渡する側も、一時的な譲渡代金に加えて、将来の一定期間にわたっての定期給付を求めるなど少し欲をかいているように思われました。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2016-03-24 09:00