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by 弁護士 赤井勝治

医療事故調査制度施行後の状況について(3)

 前回の「運用について」の続きです。

 医療法第6条の10の「予期しなかったもの」に関して、「予期していた」と判断できるものには、①あらかじめ患者さん等に説明がなされていたと考えられるもの、②診療録などの記載からして医療者が予期していたと考えられるもの、③さらに事情を聞いたうえで予期していたと判断されるものが挙げられます。

 ①②については、「死亡する可能性がある」とか「合併症の可能性がある」といった一般的な説明や診療録などへの記載があるだけでは足りず、当該患者さんの臨床経過等をふまえて、当該死亡又は死産が起こりうるにとについての個別的な説明や診療録などへの記載でなければならないとされます。

 死因の究明について

 死因の究明については、解剖することが必須とはされていません。

 Ai(CT画像などで体内の出血や骨折の状況などを調べる方法。autopsy=検視,imaging=画像診断の略)の実施が推奨されています。

 今日、死因の究明のためには、できるだけ解剖することを推し進めていこうとする動き(死因究明等推進計画)もありますが、法医解剖を行う法医が慢性的に不足している現状で、どれだけ多くの解剖を実施できるかは疑問であり、法医の養成が急務と思われます。

 医師法第21条について

 医療事故調査制度施行の施行によっても、医師法第21条の届出義務についての取扱に変更はありません。
 したがって、医師は、死体又は妊娠4か月以上の死産児を検案して異常があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければなりません。

 この点、第三者による調査制度が検討される過程では、この医師法第21条の削除も議論されたようですが、結局はそのまま残ることになりました。
 
 したがって、ケースによっては、医師は、警察への報告と医療事故調査・支援センターへの報告の両方を行わなければなりません。
 前者は、24時間以内という時間制限があるうえ、これに違反した場合には罰則(50万円以下の罰金)もあります。これに対して、後者は、前記のように「遅滞なく」報告しなければならないとされていますが、特に時間的な制限が設けられているわけではなく、また、これに違反しても罰則は規定されていません。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2016-02-18 09:00