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by 弁護士 赤井勝治

医療事故調査制度施行後の状況について(2)

 前回の続きです。

 運用について

 医療法第6条の10は、次のように規定しています。
 第1項
 病院、診療所又は助産所(以下この章において「病院等」という。)の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない。
 第2項
 病院等の管理者は、前項の規定による報告をするに当たっては、あらかじめ、医療事故に係る死亡した者の遺族又は医療事故に係る死産した胎児の父母その他厚生労働省令で定める者(以下この章において単に「遺族」という。)に対し、厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。ただし、遺族がないとき、又は遺族の所在が不明であるときは、この限りでない。

 上記規定の「提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる」にいう「提供した医療」には、診察、検査、治療に関するものが含まれ、施設の火災や天災、併発症、原病の進行、自殺、事件は含まれません。

 検討が必要なのは、療養に関連するもの、転倒・転落に関連するもの、誤嚥に関連するもの、患者さんの隔離・身体的拘束や身体抑制に関連するものについてであり、これらについては、制度の運用上、管理者の判断によるとされています。

 そして、判断にあたって、管理者は、関係者と協議し、組織として診断するものとされており、支援センターの支援を受けることもできます。

 なお、この場合、規定上は「遅滞なく」報告しなければならないとされていますが、特に時間的な制限が設けられているわけではないので、実際には、管理者は十分に検討することを妨げられるわけではありません。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2016-02-11 09:00