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by 弁護士 赤井勝治

医師の応招義務について(3)

 前回は、医師の応招義務について、少し具体的なケースについて検討してみました。

 このように旧厚生省がこれまでに示している行政解釈による基準によれば、医師の先生方には、かなり厳しい応招義務が課せられています。

 最後に、応招義務との関連で、医師の先生方や看護師さんに対し暴言を吐くなどの問題行動を行う患者さんに対して、どのように対処をすればよいのかについて考えてみたいと思います。

 ここまで見てきたように、医師の先生方にはたいへん厳しい応招義務が課されているため、このような場合であっても安易に診療を拒否することはできず、もし拒否すると、応招義務違反として損害賠償責任を負うことになりかねません。

 一般論としては、暴言などの問題行動の程度や態様がどれほど酷い場合であっても例外なく応招義務を認めることは社会通念に照らし相当ではないことから、診療を拒否する正当な事由の認められる場合があるものと考えられます。
 しかし、残念ながらこの点に関する裁判例などの前例がほとんどないため、どのような場合であれば拒否できるのかを論ずることは容易ではありません。
 現在のところは、損害賠償責任を負うかもしれないというリスクを承知の上で対処するしかないというのが正直なところです。

 したがって、以下は、あくまで私見であることをお断りしておきます。

 現時点で、単に診療を拒否する以外に考えられる法的措置としては、その患者さんの行為が再三の注意や説得にもかかわらず繰り返され、医師としての業務に支障をきたすような場合には、医院への立ち入りなどの禁止を求める仮処分を裁判所に申し立てることが考えられます。
  また、威力業務妨害として、刑事告訴することも考えられます。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2014-08-28 09:00