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by 弁護士 赤井勝治

医師の応招義務について(2)

 今回は、医師の応招義務について、少し具体的なケースについて検討してみましょう。
 以下は、旧厚生省がこれまでに示している行政解釈に従っています。

 基本的には、どのようなケースであっても、症状が重篤である等直ちに必要な応急の措置を施さなければ患者さんの生命、身体に重大な影響の及ぶおそれがある場合においては、医師は診療に応じる義務があるとされています。

① 患者さんが過去の医療費を支払っていない場合
 医療費の不払があっても、直ちにこれを理由として診療を拒むことはできないとされています。
 「直ちに」とされていますので、不払いがあったとしても絶対に拒否ができないわけではないと考えられますが、いかなる場合であれば、拒めるかについて明確な基準は示されていません。
 患者さんに支払う能力があり、かつ、何度も支払うよう請求や説得を繰り返したにもかかわらずあえて支払わないようなケースでは、拒否することについて正当な事由があると認められる余地があると考えられます。

② 診療時間外に来られた場合
 診療時間を制限している場合、時間外であっても、これを理由として急施を要する患者さんの診療を拒むことは許されないとされています。
 ただし、休日夜間診療所、休日夜間当番医制などの方法により地域における急患診療が確保され、かつ、地域住民に十分周知徹底されているような休日夜間診療体制が敷かれている場合において、来院した患者さんに対し、休日夜間診療所、休日夜間当番院などで診療を受けるよう指示した場合には診療拒否にはあたらないとされています。

③ 自己の標榜する診療科名以外の診療科に属する疾病について診療を求められた場合
 患者さんが診療できないということにつき了承した場合には、「正当な事由」が認められることがありますが、患者さんが了承せずに依然診療を求める場合には、応急の措置その他できるだけの範囲のことをしなければならないとされています。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2014-08-21 09:00