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by 弁護士 赤井勝治

診療報酬の回収について(2)

 前回の続きです。

 確実な診療報酬の回収のためにも、時効管理を適切に行う必要があります。

 最も有効な時効管理は、3年の時効期間が経過する前に、速やかに回収のための法的手続などを取ってしまうことです。

 これが難しい場合には、別途、時効中断のための措置を取っておく必要があります。

 時効中断とは、それまでの期間の経過をいったんご破算にしてしまう制度です。
 時効期間は、請求ができるとき(診療報酬では、通常個々の診療終了後になります)から進行していきますが、中断すると、中断までの期間経過はカウントされなくなり、この中断後に新たにカウントが始まることになります。

 この時効中断のための措置としては、後述する回収のための法的手続である支払督促や裁判のほか、債務の「承認」があります。

 「承認」とは、ここでは患者さんが診療報酬の支払義務があることを自ら認めることです。
 これについては、きちんと書面化しておく必要があります。
 よく使われるのは、支払いを猶予して欲しいという書面を書いてもらったり、分割払いの約束を書面でしてもらうことです。
 いずれも、その前提として、患者さん自身が診療報酬の支払義務があることを認めていることになります。

 それ以外にも、診療報酬の一部を支払ってもらうことも「承認」にあたる場合があります。
 ただ、この場合には、未払分の診療報酬全体の一部の支払いであることを明示して支払ってもらう必要があります。
 そうでないと、全額を支払ったつもりで残債務はないと思ったとの言い訳をされてしまうおそれがあり、その言い訳が認められると、「承認」にはあたらなくなってしまいます。

 このように、未払の診療報酬については、消滅時効期間も考慮したうえでの適切な管理が、回収に先だって重要となります。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2014-07-17 09:00