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by 弁護士 赤井勝治

医師の裁量(1)

 「医師の裁量」の概念
  医師の判断は、高度に専門的な判断であるうえに、ケースによっては瞬時の判断が要求されます。
  それ故、医師側の責任を排除する理由として「医師の裁量」という概念が用いられることがあります。

 
  この「医師の裁量」という概念については、必ずしもその内容は確定していません。
  ただし、裁判例や有力学説では、概ね次のように捉えられています。
  ①医師が現在の医療の水準、すなわち診療時において一般的に是認された医学上の原則に準拠した合理的判断に基づいて診断し、あるいは、治療目的を実現するため、処置と危険等について医学上の原則に準拠した十分な考慮に基づく判断に従い、適正とみられる治療を行った場合であり、②具体的状況下において、医学上の原則から著しく逸脱、ないしは原則に照らして合理性に欠けるところがなく、③患者の自己決定権を侵害するものでない、との各要件を充たす場合には、「医師の裁量」の範囲内のものとして、医師に対して注意義務違反を問えないとされます。

  この点に関し、大阪地裁昭和39年2月3日判決(判例時報369号33頁)では、 「医師の治療は、その性質上、相当高度な専門知識と技術を必要とするので、その反面において患者に対する診断並びに治療方法について、各医師間で、微妙な見解の相違を生ずることは避け得ないところと認められ、また、医師に、患者の治療について多少自由裁量の余地を認めなければ、時宜を得た適切な処置を期待し得ないものと解すべきである。」として、「医師の裁量」について言及しています。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2014-05-01 09:00