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by 弁護士 赤井勝治

医療紛争解決の新しい動き(1)

 「ADR」という言葉を見聞きされたことはありませんか。
 「Alternative Dispute Resolution」の頭文字をとった造語ですが、裁判外紛争処理手続、すなわち、裁判所を利用することなく、和解あっせんや仲裁を行い、当事者間の具体的な紛争を解決する手続きのことをいいます。
 全国25の弁護士会では、「紛争解決センター」などの名称でこうした裁判外紛争処理手続を実施・運営しています。
 また、弁護士法72条は、和解などの法律事務を弁護士でない者が取り扱うことを禁じていますが、平成19年4月1日から施行されている「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(ADR法と呼ばれています。)はその例外を認め、必要に応じて弁護士の助言を受けられるような措置を講じれば、弁護士でない者(個人・団体)でもADRを実施することができるようになりました。土地家屋調査士会などいわゆる「士業」の団体がその専門性を活かしたADRを立ち上げているほか、民間の団体でもADRを行うようになってきています。
 こうしたADRのうち、法務大臣の認証を受けたものについては、裁判上の紛争処理手続に準じた(「裁判上の紛争処理と同じ」ではありません。)法的効果が認められています。
 ADRにはさまざまな形態がありますが、おおむね、(ア)事実評価機能、(イ)対話促進機能、(ウ)金銭救済機能の3つの機能に分けることができるとされています。

 裁判上の紛争処理手続である訴訟、とくに医療裁判については、①コストが高い、②時間がかかる、③裁判は対立構造を前提としているため、両当事者が攻撃と防御をし合うことになり、感情的なしこりや医療に対する不信を残したままの解決を余儀なくされる、④裁判は法的効果を導くために必要な限度での事案の解明が問題とされるにすぎず、「真相」(臨床経過の全体像)が明らかになりにくい、⑤(④と同様の理由で)裁判では再発抑制につながる背景事情の検証や再発防止策の具体的な検討などがなされにくいなどの欠点が、患者側、医療者側双方から指摘されています。

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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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by motomame | 2014-03-06 09:00