医師・医療従事者・医療機関の方々に対する法律事務所からの情報発信です。赤井・岡田法律事務所HP: http://www.akai-okadalaw.com


by 弁護士 赤井勝治

広告規制について(3)

 前回の続きです。

 医療法6条の5で広告の認められる事項②の診療科名は、医業及び歯科医業につき政令で定める診療科名並びに当該診療科名以外の診療科名であって当該診療に従事する医師又は歯科医師が厚生労働大臣の許可を受けたものとされており、この許可に係る診療科名を広告するときは、当該診療科名につき許可を受けた医師又は歯科医師の氏名を、併せて広告しなければならないとされています(6条の6第1項、第4項)。

 また、各号に掲げる事項を広告する場合においては、その内容が虚偽にわたつてはならないものとされています(6条の5第3項)。

 さらに、各号に掲げる事項を広告する場合には、その内容及び方法が、医療に関する適切な選択に関し必要な基準として厚生労働省令で定めるものに適合するものでなければならないとされています(6条の5第4項)。

 そして、都道府県知事、保健所を設置する市の市長又は特別区の区長は、広告が6条の5第1項、第3項、第4項の規定に違反しているおそれがあると認めるときは、当該広告を行つた者に対し、必要な報告を命じ、又は当該職員に、当該広告を行つた者の事務所に立ち入り、当該広告に関する文書その他の物件を検査させることができるのみならず(6条の8第1項)、当該広告を行つた者に対し、期限を定めて、当該広告を中止し、又はその内容を是正すべき旨を命ずることができるとしています(6条の8第2項)。

 加えて、罰則も規定されており(第73条)、6条の5第3項、6条の6第4項に違反した者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処するとされています。

 このように新たにホームページ(ウェブサイト)も広告規制の対象となったことから、医療機関は、自院のホームページを点検する必要があります。

 その際には、虚偽広告や誇大広告などが許されないのはもちろんのこと、開業時に作ったままのホームページにおける人員配置や施設基準が現状と異なる場合にも、誤解を招かないように、これらを改訂をしなければなりません。

  赤井・岡田法律事務所
京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町184番地
                  オクムラビル2階
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執筆責任者 弁護士 赤井勝治(京都弁護士会所属)
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# by motomame | 2017-09-21 09:00

広告規制について(2)

 医療法6条の5で広告の認められる事項は、以下の事項とされています(第1項)。

 ①医師又は歯科医師である旨

 ②診療科名

 ③病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに病院又は診療所の管理者の氏名

 ④診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無

 ⑤法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨

 ⑥入院設備の有無、病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項

 ⑦当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他の当該医療従事者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

 ⑧患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項

 ⑨紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項

 ⑩診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、退院する患者に対する退院後の療養に必要な保健医療サービス又は福祉サービスに関する事項を記載した書面の交付、その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項

 ⑪当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)

 ⑫当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの

 ⑬その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項

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# by motomame | 2017-09-14 09:00

広告規制について(1)

 平成29年6月7日に医療法等の一部を改正する法律(以下「改正法」)が、衆議院本会議において可決されました。
 改正法は、同年6月14日に公布され、一部を除き公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものと定められています。

 この改正法では、広告規制の見直しがなされ、これが広く医療機関に影響を及ぼすと考えられることから、今回は、広告規制について述べたいと思います。

 改正後の医療法6条の5は、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。」と規定し、新たにホームページ(ウェブサイト)も規制の対象となりました。

 この点、今回の改正前は、医療広告ガイドラインに基づき、限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されていましたが、医療機関のウェブサイト等については、広告規制の対象とはされていませんでした。

 しかし、インターネットがこれほど広く普及している現状において、ホームページが広告には当たらないとして野放しにされていることがおかしいのは誰の目からも一目瞭然であり、近年、美容医療サービスに関する消費者トラブルの相談件数が増加していることもあって、今回の改正で、新たにホームページ(ウェブサイト)も規制の対象となりました。

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# by motomame | 2017-09-07 09:00
 これまでに述べたことから分かるように、医師が虚偽の診断書等を作成して、刑法上、文書偽造罪として罰せられるおそれがあるのは、医師が公務員である場合、および公務員でない医師が公務所に提出すべき診断書等を作成した場合です。

 公務員でない医師が、虚偽の診断書等を作成しても、それが公務所ではなく私人や保険会社に提出する診断書等であれば、少なくとも刑法上、文書偽造罪として罰せられることはありません。

 医師が同じように虚偽の診断書等を作成しても、身分が公務員であるかどうかや、その診断書等の提出先によって、刑法上の罪が成立したり、しなかったり、あるいは罪に軽重があるというのは、違和感をお持ちになるかもしれませんが、現行刑法上は、このように規定されています。

 なお、くれぐれも、刑法上罰せられるおそれの有無にかかわらず、どのような場合であっても、虚偽の診断書等を作成することなどないようにお願いしたいと思います。

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# by motomame | 2017-08-31 09:00
 まず、公務員である医師が、虚偽診断書を作成した場合には、虚偽公文書作成罪として処罰される可能性があります。
 通常、診断書には作成した医師が押印をされるでしょうから、法定刑は、1年以上10年以下の懲役となり、かなり重い罪となります。

 次に、公務員でない医師が虚偽診断書を作成した場合には、虚偽診断書等作成罪として処罰される可能性があります。
 この虚偽診断書等作成罪が成立するのは、医師が「公務所に提出すべき」「診断書」、「検案書」又は「死亡証書」に「虚偽の記載」をしたときです。

 「公務所に提出すべき」とは、公務所(役所等)に提出することが法令上義務づけられている場合だけでなく、公務所に提出することが予定されている場合も含み、現に作成された診断書等が公務所に提出されたか否かは問いません。

 「診断書」とは、医師が診察の結果に関する判断を表示して、人の健康上の状態を証明するために作成する文書をいいます。

 「検案書」とは、死亡後に初めて死体を検案した医師が、死亡の事実(死因や死期等)を医学的に確認した結果を記載した文書をいいます。

 「死亡証書」とは、生前から診療にたずさわっていた医師が、その患者が死亡したときに、死亡の事実を確認して作成する、いわゆる死亡診断書のことをいいます。

 「虚偽の記載」とは、客観的事実に反する一切の記載(病状、死因、死亡日時等)を意味します。

 この虚偽診断書等作成罪の法定刑は、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金とされています。

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# by motomame | 2017-08-24 09:00